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2025/01/30 コラム

遺言書作成は自分でできる?具体的な流れやメリット・デメリットも紹介

遺言書作成を検討している場合、専門家へ依頼せずに自分1人で作成したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、遺言書作成を自分1人でおこなう場合の具体的な流れや、メリット・デメリットを詳しく解説しています。
専門家である弁護士に作成を依頼する場合のメリットも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.自分1人で作成できる遺言書の形式

自分1人で作成できる遺言書の形式は、自筆証書遺言です。
相続対策として用いられる遺言書の形式は、自筆証書遺言の他にも公正証書遺言や秘密証書遺言があります。
公正証書遺言は公証役場で遺言内容を口述し、公証人に文書化してもらう必要があるため、原則として自分1人では作成できません。
秘密証書遺言は遺言書の内容を秘密にしたまま、遺言書の存在だけを公証役場で認めてもらう形式です。
遺言書自体は自分1人で作成できますが、最終的には公証役場で手続きをしなければなりません。
自筆証書遺言は、財産目録以外の全文を自筆で作成する遺言書の形式であり、作成から保管・管理まですべて自分1人でおこなえます。
用紙や筆記用具、縦書き・横書きなどの決まりがなく、紙とペンさえあればどこでも好きなタイミングで作成できるのも魅力の一つです。
遺言書を自分1人で作成したい場合は、自筆証書遺言の作成を検討すると良いでしょう。

2.遺言書作成を自分でおこなう際の流れ

遺言書を自分1人で作成する場合、基本的には自筆証書遺言を作成することになります。
自筆証書遺言を自分で作成する際の流れは下記のとおりです。

  1. 消えないペンで自筆により作成
  2. 日付を明記
  3. 署名・押印をする
  4. 誰に何をどのくらい相続させるのか明確に記載
  5. 訂正時のルールを守る

具体的な作成方法については、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

自筆で作成する遺言書の書き方をわかりやすく解説!例文も複数紹介

3.遺言書作成を自分でおこなうメリット

遺言書作成を自分でおこなう場合、いくつかのメリットがあります。
具体的なメリットは下記のとおりです。

  • 専門家に支払う費用を節約できる
  • 遺言内容を他の人に知られない
  • 自分の好きなタイミングで作成できる

それぞれ詳しく解説します。

3-1.専門家に支払う費用を節約できる

遺言書作成を自分でおこなうと、専門家に支払う費用を節約できます。
遺言書作成を弁護士や司法書士などの専門家へ依頼するためには、必要書類を取得する費用や役所に支払う費用の他に相談料・作成料などが必要です。
専門家に作成を依頼する遺言書の形式にもよりますが、おおむね10万円〜50万円程度の費用が必要になるでしょう。
相続対策を考えているけど費用はかけられないという方にとっては、自分で遺言書を作成することで10万円〜50万円程度の費用を節約できる点は、大きなメリットになるでしょう。

3-2.遺言内容を他の人に知られない

遺言書作成を自分でおこなうと、他の人に遺言内容を知られずに済みます。
そのため、遺産分割に対する正直な気持ちや要望を遺言内容として記載できるでしょう。
基本的に、弁護士をはじめとした専門家に遺言書作成を依頼する場合でも、守秘義務によって遺言内容が外部へ漏れる心配はほとんどありません。
しかし、何らかの事情で他の人に遺言内容を知られたくない人には大きなメリットとなるでしょう。

3-3.自分の好きなタイミングで作成できる

遺言書作成を自分でおこなう場合、自分の好きなタイミングで遺言書を作成できます。
弁護士をはじめとした専門家に遺言書作成を依頼する場合、遺言内容に関する打ち合わせのために、専門家と予定を合わせなければなりません。
もちろん、専門家はご依頼者様の希望を考慮しますが、お忙しい方にとっては負担になる可能性もあるでしょう。
遺言書作成を自分でおこなう場合は、いつでもどこでも紙とペンさえあれば遺言書を作成できるため、気軽に遺言書を残せます。

4.遺言書作成を自分でおこなうデメリット

遺言書作成を自分でおこなう場合、メリットがある一方でいくつかのデメリットもあります。
具体的なデメリットは下記のとおりです。

  • 形式不備によって無効になるリスクがある
  • かえってトラブルの原因となる遺言書を作成してしまうリスクがある
  • 手間と時間がかかる

それぞれ詳しく解説します。

4-1.形式不備によって無効になるリスクがある

遺言書作成を自分でおこなう場合、形式不備によって無効になるリスクがあるので、注意が必要です。
遺言書は形式が法律で厳格に定められており、形式に不備があると無効になってしまいます。
せっかく遺言書を作成しても、無効になってしまっては意味がありません。
有効な遺言書を作成するためにも、遺言書の作成形式をきちんと把握することが重要です。

4-2.かえってトラブルの原因となる遺言書を作成してしまうリスクがある

遺言書作成を自分でおこなう場合、相続対策を目的としていたのにも関わらず、かえってトラブルの原因となる遺言書を作成してしまうリスクがあります。
例えば、すべての財産を長男に相続させたいと考え「すべての財産を長男に遺す」といった遺言書の作成を検討するケースもあるでしょう。
この場合、遺留分をめぐってトラブルが生じるリスクがあります。
遺留分とは、一定の相続人に認められている最低限度の遺産取得割合のことです。
詳しくは下記の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

遺言書と遺留分はどちらが優先?遺留分侵害額請求も具体例を交えて解説

相続対策を目的として作成した遺言書がかえってトラブルの原因とならないためにも、遺言書作成に際しては相続についても知識を深めることが重要です。

4-3.手間と時間がかかる

遺言書作成を自分でおこなう場合、手間と時間がかかります。
人生で何回も遺言書の作成をおこなっている人は少ないでしょう。
きっと多くの人が初めての経験であり、何も知らない状態からのスタートになると思います。
遺言書は形式が法律で厳格に定められており、不備があると無効になる可能性が高いです。
そのため、遺言書を作成するためには、遺言書の作成形式について熟知する必要があります。
また、将来のトラブルを防ぐために遺言書を作成する場合は、相続に関する知識も欠かせません。
遺言書の作成形式や相続に関する知識をゼロから身につけるとなると、多くの手間と時間がかかるでしょう。
手間と時間を軽減し、スムーズかつ適切に遺言書を作成するためにも、必要に応じて弁護士をはじめとした専門家の力を借りることがおすすめです。

5.弁護士に遺言書作成を依頼するメリット

遺言書は自分で作成できますが、専門家である弁護士に作成を依頼することで多くのメリットがあります。
具体的なメリットは下記のとおりです。

  • 無効になりにくい遺言書を作成してもらえる
  • 相続トラブルを防ぐための遺言内容を考案してもらえる
  • トラブルが起こった際の解決まで任せられる

それぞれ詳しく解説します。

5-1.無効になりにくい遺言書を作成してもらえる

弁護士に遺言書作成を依頼することで、無効になりにくい遺言書を作成してもらえます。
弁護士は法律の専門家であり、遺言書作成の形式についても熟知しているケースが多いです。
遺言書の作成形式に則って、法的な観点から遺言書を作成してもらえるので、自分1人で作成するよりも有効な遺言書を作成できる可能性が高いでしょう。
ただし、すべての弁護士が遺言書作成を得意としているわけではないため、事前にホームページやポータルサイトを確認して遺言書の作成実績が豊富な弁護士に依頼することが重要です。

5-2.相続トラブルを防ぐための遺言内容を考案してもらえる

弁護士に遺言書作成を依頼することで、相続トラブルを防ぐための遺言内容を考案してもらえます。
相続問題を得意としている弁護士は、過去の経験を踏まえてどのような内容がトラブル防止に効果的か把握しているケースが多いです。
ご依頼者様の要望や状況を丁寧にヒアリングしたうえで、将来のトラブルを防ぐために適切な遺言内容を考案してもらえるでしょう。
ただし、すべての弁護士が相続を専門的に扱っているわけではないので、相続トラブルの取り扱いについて事前に過去の実績を確認することが重要です。

5-3.トラブルが起こった際の解決まで任せられる

どれだけ対策をしていても、相続についてトラブルが起こるケースはあります。
弁護士に遺言書作成を依頼することで、相続開始後にトラブルが起きた際に解決まで任せられる点は大きなメリットの一つです。
遺言者の要望を把握している弁護士がトラブル解決に向けて対応することで、より遺言者の意向に沿った形でトラブルを解決できる可能性が高まります。
また、トラブルが拗れて裁判に発展してしまった際にも、弁護士であればトラブル解決まで対応が可能です。
相続トラブルの予防はもちろん、トラブルが生じた際の対応も任せられるので、安心して遺言書を残せるでしょう。

6.まとめ【自分1人で遺言書作成が困難な場合は弁護士へ相談を!】

いかがでしたか?
今回は、自分で遺言書作成する際の流れやメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
基本的に自筆証書遺言であれば自分1人で遺言書を作成できます。
しかし、手間と時間を軽減し、スムーズかつ適切に遺言書を作成するためにも、専門家である弁護士への相談がおすすめです。
広島市にある「いちじょう法律事務所」では、初回相談無料で承っています。
弁護士として15年以上活動してきた経験をもとに、適切なアドバイスを心がけておりますので、相続問題でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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