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2024/09/27 コラム

公正証書遺言を作成する際の費用相場とは?各専門家への依頼費用も紹介

遺言書にはさまざまな形式があり、公正証書遺言もその一つです。
公正証書遺言の作成を検討する際には費用が気になる方は多いでしょう。
この記事では、公正証書遺言の作成を検討する際に気になる費用について詳しく解説しています。
各専門家に依頼する場合の費用相場も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

1.公正証書遺言を作成する際の費用相場

公正証書遺言を自分で作成する場合、4万円〜30万円程度が費用相場となります。
費用相場に幅がある理由は、相続財産の総額によって公証人手数料が大きく異なるからです。
また、専門家に公正証書遺言の作成を依頼する場合は、追加で10〜25万円程度の費用がかかります。
費用だけで考えると、専門家への依頼は高額に感じることもあると思いますが、相続対策として適切な公正証書遺言を作成するためにも、専門家への依頼を検討することがおすすめです。

2.公正証書遺言を作成する費用の内訳

公正証書遺言を自分で作成する際には、4万円〜30万円程度の費用がかかります。
公正証書遺言の作成にかかる費用について、具体的な内訳を紹介します。

2-1.公証人手数料

公正証書遺言を作成する際の手数料は、公証人手数料令で定められています。
この手数料は、公正証書遺言に記載する財産の総額に応じて全国一律で決まっており、財産の規模が大きくなるほど費用も増加するのです。
例えば、100万円未満の財産の場合は5,000円、1,000万円~3,000万円の財産であれば2万3,000円が手数料としてかかります。
相続財産の総額ごとに公証人手数料は異なるため、詳しくは弁護士をはじめとした専門家に相談してみるといいでしょう。

2-2.公証人の日当・交通費(公証人に出張してもらう場合)

公証役場で遺言者本人が直接遺言書を作成する場合、公証人の日当や交通費は発生しません。
しかし、病気や身体の故障などで公証役場に出向けない場合には、自宅や病院まで公証人に出張してもらうための費用がかかります。
公証人に出張してもらう場合には、手数料が1.5倍に加算されるほか、1日あたり2万円(4時間以内の場合は1万円)の日当が必要です。
また、交通費は実費となるため、移動距離に応じた費用も追加されることになります。
公証人に出張してもらい、公正証書遺言を作成する場合は、事前にこうした費用を見積もることが大切です。

2-3.証人の日当

公正証書遺言には、証人2名の立会いが必要です。
知人に証人を依頼すれば費用はかかりませんが、専門家や公証役場に証人の手配を依頼すると日当が発生します。
公正証書遺言の作成にともなう証人は「未成年者」や「推定相続人」など、一部の関係者は選任できないため、適切な証人を選ぶことが難しい場合は専門家に依頼するのが安心です。
証人にかかる費用も、事前に確認しておくと良いでしょう。

2-4.必要書類の取得費用

公正証書遺言を作成する際には、いくつかの書類を準備しなければなりません。
例えば、戸籍謄本や印鑑証明書、不動産に関する評価証明書などです。
これらの書類を取得するには、それぞれに費用がかかります。
戸籍謄本は1通につき450円、印鑑証明書は1通につき300円と、書類によって取得費用は異なります。
必要書類の種類とあわせて、取得費用を事前に確認し、準備を進めることが重要です。

3.公正証書遺言の作成を依頼する専門家ごとの費用相場

公正証書遺言は、専門家に作成を依頼することも可能です。
相続の専門家は「弁護士」「司法書士」「行政書士」が代表的であり、それぞれ費用相場や対応内容が異なります。
公正証書遺言の作成を依頼する際の費用相場について、それぞれ解説します。

3-1.弁護士

弁護士に公正証書遺言の作成を依頼すると、一般的に15万円〜25万円程度の費用がかかります。
弁護士に依頼することで、遺言書の作成だけでなく、相続後の手続きや法的なサポートも受けることが可能です。
特に弁護士は紛争解決のプロであるため、トラブルを未然に防ぐためのアドバイスはもちろん、実際にトラブルが発生した際の解決までトータルサポートを受けられます。
弁護士に公正証書遺言の作成を依頼することで、作成後も安心でしょう。

3-2.司法書士

司法書士に公正証書遺言の作成を依頼する場合、費用は10万円〜25万円程度です。
司法書士も弁護士と同様、遺言書の作成とあわせて相続手続きのサポートも依頼できます。
ただし、相続手続きのなかには弁護士が対応できて、司法書士が対応できない内容もあるので注意が必要です。
司法書士は登記を得意としているので、複雑な相続登記が必要な場合は、公正証書遺言の作成とあわせて依頼を検討するといいでしょう。

3-3.行政書士

行政書士に依頼した場合の費用は、10万円から20万円程度です。
司法書士や弁護士に比べてやや安価ですが、行政書士は相続手続きについて対応できる内容が限られます。
そのため、相続手続きのサポートが必要な場合には、別の専門家と併用する必要があるでしょう。

4.公正証書遺言の作成費用を抑えるポイント

公正証書遺言の作成費用は決して安価でないため、費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。
公正証書遺言の作成費用を抑えるポイントは、下記のとおりです。

  • 公証役場に出向いて作成する
  • 証人を自身で用意する
  • 専門家を比較検討する

それぞれ詳しく解説します。

4-1.公証役場に出向いて作成する

公証役場に出向いて公正証書遺言の作成をおこなうことで、費用を抑えられます。
病気やケガで外出が難しい場合、公証人に出張を依頼できますが、その際は手数料が通常の1.5倍に加算され、さらに日当や交通費も必要です。
そのため、体力があるうちに自分で公証役場に行き、遺言書を作成することがコスト削減につながります。

4-2.証人を自身で用意する

公正証書遺言の作成には証人2名の立会いをともないますが、これを知人に依頼することで証人にかかる費用を抑えられます。
法律で定められた要件を満たす人であれば、誰でも証人にすることが可能です。
専門家に証人を依頼すると日当の支払いが必要ですが、自分で証人を用意することで、その費用を削減できます。
ただし、証人には遺言内容が知られてしまうため、遺言内容を知られても問題ない証人選びが必要です。

4-3.専門家を比較検討する

公正証書遺言の作成を専門家に依頼する場合、比較検討することが大切です。
公正証書遺言の作成を依頼する専門家は「弁護士」「司法書士」「行政書士」が一般的であり、それぞれ費用相場はもちろん、対応できる内容も異なります。
また、同じ弁護士であっても、弁護士ごとに得意としている分野や、費用体系は異なるのです。
公正証書遺言の作成を依頼する際には、専門家を比較検討し、自身のニーズに応えられる専門家を選びましょう。
実際に比較検討する際には、費用だけでなく対応内容や過去の実績などを総合的に比較することが重要です。

5.公正証書遺言以外を作成する際の費用相場

遺言書の作成形式はさまざまであり、公正証書遺言もそのなかのひとつです。
相続対策としては、他にも「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」の作成が一般的です。
それぞれの費用相場について詳しく解説します。

5-1.自筆証書遺言

自筆証書遺言の作成には、基本的に費用はかかりません。
自筆証書遺言とは、遺言書の本文や日付、氏名など、財産目録以外のすべてを自筆で作成する遺言書の形式です。
詳しい作成方法については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。

自筆で作成する遺言書の書き方をわかりやすく解説!例文も複数紹介

全文自筆で作成するため、基本的に作成費用はかかりません。
使用する筆記具や用紙の指定もないため、数百円〜数千円程度で作成できるでしょう。
もちろん、遺言内容を専門家に考案してもらう場合や、財産目録の作成をサポートしてもらう場合は、費用がかかります。
また、自筆証書遺言を作成したあと、法務局での保管制度を利用する場合は、1件につき3,900円の手数料が必要です。

5-2.秘密証書遺言

秘密証書遺言は、公証役場で遺言書の存在を証明してもらい、遺言者以外に遺言内容を秘密にできる遺言書の形式です。
秘密証書遺言を作成する際の費用相場は、1万円〜30万円程度です。
費用には、必要書類の取得費用や役所への手数料、証人の日当などが含まれます。
なかでも役所への手数料については、相続財産の総額によって変動するため、相続財産が高額な場合は秘密証書遺言の作成費用も高額になる可能性が高いです。
なお、専門家に遺言内容を考案してもらう場合は、追加で費用がかかりますので、事前に確認しておきましょう。

6.公正証書遺言の作成を弁護士に依頼するメリット

公正証書遺言の作成は専門家に依頼することがおすすめです。
弁護士への依頼は、司法書士や行政書士への依頼と比較して高額になる傾向があります。
しかし、公正証書遺言の作成を弁護士に依頼することにはさまざまなメリットがあります。
公正証書遺言の作成を弁護士に依頼するメリットは下記のとおりです。

  • 証人を任せられる
  • 遺言書の作成からトラブルの解決までトータルサポートを受けられる
  • 公正証書遺言が最適か判断してもらえる
  • 遺言執行者を任せられる

それぞれ詳しく解説します。

6-1.証人を任せられる

公正証書遺言の作成には、証人2人の立会いが必要です。
公正証書遺言の作成にともなう証人は、推定相続人および受遺者並びにこれらの配偶者や直系血族を選任できません。
このように、公正証書遺言の作成にともなう証人にはいくつかの要件が定められています。
また、証人は遺言書の作成に立ち会うという性質上、どうしても遺言内容を知ってしまうのです。
そのため、証人選びに困っている方も多いでしょう。
弁護士には、公正証書遺言の作成にともなう証人を依頼できます。
弁護士は相続に関する専門知識を有しているだけでなく、守秘義務によって遺言内容の外部流出を防ぐことが可能です。
証人選びに困っている場合は、弁護士への依頼を検討するといいでしょう。

6-2.遺言書の作成からトラブルの解決までトータルサポートを受けられる

相続では親族間のトラブルや、財産をめぐったトラブルが起こるケースも少なくありません。
遺言書の作成は、将来的なトラブルを防ぐ手段の一つですが、適切な遺言書を作成するためには専門知識が必要です。
弁護士は相続について専門知識を有しており、適切な遺言書を作成するためのサポートができます。
また、弁護士は紛争解決の専門家です。
仮に相続トラブルが生じてしまっても、トラブルの解決まで任せられます。
遺言書の作成からトラブルの解決まで一括で任せられるので安心でしょう。

6-3.公正証書遺言が最適か判断してもらえる

遺言書の作成形式は公正証書遺言以外にも、自筆証書遺言や公正証書遺言などがあります。
公正証書遺言の作成を検討していても、実際には別の形式が適切であるケースもあるのです。
一般の人は遺言書の作成を人生で何度も経験することではないと思いますので、どの形式が自身に適しているか判断するのは難しいでしょう。
弁護士は相続について専門知識を有しており、依頼者ごとに適切な遺言書の形式についてアドバイスが可能です。
弁護士に依頼することで、より適切な形で遺言書を残せるでしょう。

6-4.遺言執行者を任せられる

遺言執行者とは、遺言内容を実現するための役割を担う人のことです。
遺言執行者は遺言内容で指定でき、破産者や未成年者でなければ誰でも問題ありません。
相続の専門家である弁護士に遺言執行者を任せることで、スムーズかつ適切に遺言内容が実現しやすくなります。
また、トラブルの解決や裁判になった際の対応も任せられます。
公正証書遺言の作成とあわせて遺言執行者を任せることで、相続開始後も安心でしょう。

7.まとめ【公正証書遺言を作成する際は事前に費用相場を把握しよう】

いかがでしたか? 今回は、公正証書遺言を作成する際の費用相場について、各専門家に依頼する場合の費用をあわせて紹介しました。
公正証書遺言の作成費用は、相続財産の総額や依頼する専門家によって大きく異なります。
弁護士へ依頼する場合は、司法書士や行政書士よりも費用が高くなる可能性もありますが、多くのメリットがあります。
公正証書遺言の作成をお考えの際は、弁護士への相談がおすすめです。
広島市にある「いちじょう法律事務所」では、初回相談無料で承っています。
弁護士として15年以上活動してきた経験をもとに、適切なアドバイスを心がけておりますので、遺言書の作成をはじめとした相続問題でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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